Natural Products Library天然物ライブラリー

相互利用のスキーム

ライブラリー相互利用の仕組みは下図のようになっています。ライブラリー利用と提供の両方、またはどちらか片方を目的として天然物組合への参画が可能です。提供企業は自社で作成した培養抽出物や単離化合物のライブラリーを組合に提供し、組合が産総研 (お台場) にある天然物組合のスペースに保管して管理します。

ライブラリー相互利用の仕組み

ライブラリー提供企業以外で、これらライブラリーを利用したい企業やアカデミアは、お台場にあるスクリーニングセンターに来て利用するのが前提となっています。ここにはHTSを行うための機器が揃っているため、大抵のスクリーニング系は行うことができます。アッセイ系にもよりますが、384-wellでのHTSによって、30万検体全てをスクリーニングしても2ヶ月程度で完了することが可能です (ヒット化合物の単離・精製、構造同定までを3ヶ月程度で終了させるのを目標としています)。お台場でスクリーニングできない特殊な系については、提供企業の承諾の元に1回のアッセイ分のサンプルを持ち出して自社でアッセイする事も可能です。

この仕組みでは、利用者にとっては、微生物収集やサンプル化の労力をかけずに大規模な天然物ライブラリーへのアクセスが可能となるメリットがあります。一方、提供者にとっては、生産菌等の権利を保護しつつ自社サンプルがスクリーニングに供される機会を増やすことができるというメリットが期待できます。また、天然物からのスクリーニングには興味があるが、自社で精製や単離を行う事ができないという場合には、天然物組合のスタッフの技術的サポートを受けてヒット化合物の同定を行う事も可能な仕組みになっています。