Outline概要
設立目的
微生物が産出する天然化合物は、豊富な生物活性と多様な構造を保有しており、新規医薬品候補化合物として大きな魅力があり、また、天然物化学は日本独自の優れた技術であると言えます。しかしながら、天然物ライブラリーは、菌株の管理・培養、ヒット化合物の単離・合成など煩雑な処理が必要であり、その取扱いも独特の経験やノウハウが必要であるため、残念ながら国内企業では天然物による創薬研究体制の見直し(縮小)が進んでいるのが実情です。
このような背景から、各製薬企業等が協力して天然物による創薬研究を推進するため、優れたライブラリーを保有する企業が集まって2011年に本組合を設立しました。各社が独自に開発したライブラリーは貴重な財産であるため、従来は社内での利用に限定されていましたが、本事業では、これらのライブラリーを組合にて統一的に保管・管理し、他の組合員企業及びアカデミアによる相互利用を推進します。この天然物ライブラリー相互利用により、各社が保有するライブラリーの最大限の活用が図られ、ライブラリー提供者および利用者の両方にメリットが生ずるとともに、これにより、多くの医薬品候補化合物が見出され、我が国の天然物創薬の発展に寄与することが期待されます。